2009.06.09 Tuesday
東近江の猿害 犬も協力、地域一丸で対策_滋賀
エンガイ――と聞けば、工場周辺の人や嫌煙家にとっては煙害の文字が浮かぶかも知れない。海の近くなら塩害だが、県内の山間部だと「猿害」だろう。
10年ほど前から、猿の被害に頭を抱える東近江市で先月、モンキードッグ2頭がデビューした。永源寺高野町の集落に来襲するサルの群れを追い払うのだという。
踏み荒らされた麦、食い散らかされたスイカ、カボチャ……。「台風よりタチが悪い」。手塩にかけた作物の無残な姿に、農家の人はうなだれ、耕作意欲を失っていった。数年前のことだ。
獣害対策を担当する同市職員の濱中亮成さん(36)には、そのつぶやきが耳に残る。
花火や防護柵。動物愛護の思いから、なかなか殺処分も難しい。「特効薬は見当たらない……」。
そんな思いを逆なでするように、サルは民家の屋根瓦を投げるは、納屋に忍び込むは。したい放題の狼藉(ろうぜき)に「なんとかしろ」。住民の怒りは行政に向いた。
そして、長野県で効果をあげていたモンキードッグに目をつけた。永源寺高野町の住民2人の協力を得て、飼い犬を半年間の訓練に出した。これまでもサルが隠れる竹やぶを伐採するなど町ぐるみで対策に取り組んできた。今度も2頭には地元の期待が集まる。
「地域全体で、手ごわい所だとサルに思わせることが大事なんです」。濱中さんも住民の協力に手応えを感じている。大学院では植物が専門だったのが、いつしか動物相手に。同僚からは「サルがいなくなると仕事がなくなるね」と冷やかされるほど。
果たして、「猿害」を解消し、晴れて“失業”となるか。まずは、ネコならぬイヌの手を借りた取り組みを見守りたい。
2009年6月9日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20090608-OYT8T01221.htm
by jl-jl
10年ほど前から、猿の被害に頭を抱える東近江市で先月、モンキードッグ2頭がデビューした。永源寺高野町の集落に来襲するサルの群れを追い払うのだという。
踏み荒らされた麦、食い散らかされたスイカ、カボチャ……。「台風よりタチが悪い」。手塩にかけた作物の無残な姿に、農家の人はうなだれ、耕作意欲を失っていった。数年前のことだ。
獣害対策を担当する同市職員の濱中亮成さん(36)には、そのつぶやきが耳に残る。
花火や防護柵。動物愛護の思いから、なかなか殺処分も難しい。「特効薬は見当たらない……」。
そんな思いを逆なでするように、サルは民家の屋根瓦を投げるは、納屋に忍び込むは。したい放題の狼藉(ろうぜき)に「なんとかしろ」。住民の怒りは行政に向いた。
そして、長野県で効果をあげていたモンキードッグに目をつけた。永源寺高野町の住民2人の協力を得て、飼い犬を半年間の訓練に出した。これまでもサルが隠れる竹やぶを伐採するなど町ぐるみで対策に取り組んできた。今度も2頭には地元の期待が集まる。
「地域全体で、手ごわい所だとサルに思わせることが大事なんです」。濱中さんも住民の協力に手応えを感じている。大学院では植物が専門だったのが、いつしか動物相手に。同僚からは「サルがいなくなると仕事がなくなるね」と冷やかされるほど。
果たして、「猿害」を解消し、晴れて“失業”となるか。まずは、ネコならぬイヌの手を借りた取り組みを見守りたい。
2009年6月9日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20090608-OYT8T01221.htm
by jl-jl